新田次郎先生の「八甲田山死の彷徨」です。
戦時中に実際に起こった実話を元に書かれた小説です。
あくまでフィクション作品です。
<スコア>
指標 | 点数 |
---|---|
おすすめ度 | ★★★★☆ |
メッセージ性 | ★★★★☆ |
読みやすさ度 | ★★★☆☆ |
文学度 | ★★★☆☆ |
満足度 | ★★★★☆ |
<あらすじ>
日露戦争間近の日本で、極寒の雪山の中で寒中行軍の人体実験が行われた。
ロシアに攻め入った際に、極寒の中での行軍を検証するために行われ、
青森5聯隊と弘前31聯隊の2隊が、この実験に投入された。
作中は2隊がそれぞれ対比され描かれている。
青森5聯隊は、途中猛吹雪により遭難する。
この行軍の責任者は、中隊長であったが、
大隊長が「前進」の指示を出してしまう。
これによって、指揮系統の混乱し、
この青森5聯隊は199名の死者を出すことになった。
それに対し、弘前31聯隊は経験者を中心に編成され、
事前準備を万端に挑んだ。
最終的に脱落者なく11日間に渡る行軍を完遂した。
<感想>
指揮系統の乱れにより、組織が混乱し最悪の事象に陥るという、
現代社会でもよくある典型的な失敗。
組織の規律を守るためには、上位者の指示に従うことは大事だが、
上位者がポンコツだと如何様にもし難い。
また、何事にも下準備が重要で、
行き当りばったりは、勇敢ではなく無知・無謀なだけ。
40年以上も前の作品だけど、社会人として
読んでおきたい作品の一つです。
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